RAJとは?
設立趣旨と基本理念
近年、わが国ではアウトドアスポーツの普及に伴ない、リバーラフティングが急速に大衆化しつつある。自然に身を置き、五感を通じて、 生かされる自然の大切さを実感する。
アウトドアスポーツは1970年代を中心に、世界的に起こった自然回帰への大きなムーブメントであり、ラフティングはその中で大きな役割を 果たしている。
自然環境への意識の啓蒙
かつて河川こそが公道だった。交通の手段として船が行き交い、筏を組んでの木材の運搬など、輸送手段として重要な役割を果たしてきた。 近代になって、陸上道路網の整備がなされ、交通の手段としての河川は人々の日常の生活目線から遠ざかることになる。結果として、河川は、 生活用水や発電用途としての利水、或いは下水排水溝としての役割のみを担うことになってしまった。河川から目線をそむけてしまった人々は、 川に汚物が放置され水が汚染されていても関心を示さなくなってしまっていた。ラフティングなど、河川を利用したアウトドアスポーツの普及は、 再び人々の目線を水面に戻し、自然環境の大切さを身をもって実感させる大いなるきっかけを与える。
チームワークと体験活動
一艇に、ボートに乗り合わせる複数の乗員のパドリング操作と協力によって運航されるラフティングは、チームプレイの重要さを実体験すると共に、 次々と迫り来る激流を全員が協力し合い、ひとつひとつの瀬をクリアして行く達成感と連帯感を提供する。ラフティングは、とりわけ次世代を担う 多感な若者達に、団体行動の中に学ぶチームワークの重要性と、充実した達成感を提供する。ラフティングは、スリリングに急流下りを楽しむスポー ツ派から、周辺の景観を楽しみ、鳥のさえずりを聞き、流れに身をまかせながら川を下るのんびり派まで幅広い川下りの楽しみを提供する。そして商業 ラフティングは、大衆が最も手近にアウトドアスポーツを体験できる入門手段である。
危機管理と責任
いかなる河川においても、安全に川下りを楽しむには、(河川における)不測の事態に対する危機管理や安全対策を充分に行い、運行に際しては、その 河川を充分理解した経験豊富なガイドをラフトの引率にあてなければならない。商業ラフティングに従事する者は、参加する顧客に対しても、顧客が自ら 負うべき自己責任の範囲を説明し、理解・承知してもらい、主催者たるべき業者の負うべき責任を充分に自覚しなければならない。安全運行に必要な情報 システムの構築、ガイド技術の研鑚、労働環境の整備、地域関係諸団体との協調・協力関係の構築、海外関連諸団体との情報交換及び国際的協力関係の構築、 保険制度や損害賠償責任など、今後我々が取り組まなければならない課題は数多くある。
協会設立
上記の認識のもとに、商業ラフティングに従事する一人一人が、個人・団体を問わず、課せられた社会的責任を果たすとともに、職業としてのラフティングの 存在を社会に知らしめ、個々の社会的地位の確立を目指す。わが国における商業ラフティングの更なる普及と発展の為に、安全とサービスの向上を目指して、 ここにラフティング協会(以下RAJとする)を設立する。